忘れえぬ夜 | VERGEZ™ A' Design Award ガラ
- Philippe Vergez

- 1月2日
- 読了時間: 2分
A' Design Award ガラナイト、Teatro Sociale di Como
足を踏み入れる前から、物語を宿す場所がある。Teatro Sociale di Comoはそのひとつだ。ヴェルヴェットの沈黙と彫刻された柱、そして拍手の残響が、今も静かに息づく十九世紀の劇場。その夜、この舞台はA' Design Award ガラのために開かれた。そしてどういうわけか、私は客席ではなく、受賞者の中にいた。

静かな誇りと、かすかな不安を抱えて到着した。こういう場は私の安息地ではない。しかし、空気がすべてを和らげてくれた——世界中のあらゆる角落から集ったアーティスト、デザイナー、建築家、夢想家たち。皆、ひとつの理由でここにいる。創造。承認、ええ、しかしそれ以上に、分かち合い。

そして、驚きが訪れた。
Qymira。
彼女は香港から予告もなく飛んできた。Como湖から幻のように現れ、Roaring Lionチョーカーを身に纏っていた——Silver A' Design Awardを受賞したあの作品。それは彼女のために、舞台で纏うために生まれたものだ。しかしその照明の下、この場所で、彼女の上で見たとき——すべてが整った。彼女の優雅さが、一瞬、部屋全体を沈黙させた。
それはもう、単なるジュエリーではなかった。息づいていた。
大げさなスピーチはいらなかった。チョーカーが語った。彼女がそれを纏う所作が、彼女が私を見つめるまなざしが、そして古き劇場がまるで頷くように見えたことが——すべてを語っていた。
芸術と情熱の夜。そして、創造者たちを夜も眠らせない種類の狂気の夜。
Grazie, Como。
Grazie, Qymira。
忘れない。





























